ベストなポートフォリオはなにか。効率的フロンティアとはなにか。

ポートフォリオとは何か。

ポートフォリオという言葉を初めて聞いた方もいるかも知れません。ポートフォリオとは資産の配分です。厳密な説明を行うと、ポートフォリオは株式の配分、大きな資産配分はアセットアロケーションと言いますが、わかりにくいのでポートフォリオで統一します。

ですので、ここでいうポートフォリオとは、株式90%+債権10%などといった全体の資産配分のことを指します。この全体の資産配分の割合が投資において最も重要です。なぜなら、この割合を調整することが最もリターンを決定すると言われているからです。

結局投資のリターンにおいて、銘柄の違いはさしたる違いではないのです。一部の天才的な人を除き、銘柄選定を行い、リターンを上げることは難しいのです。

株式100%ではだめな理由

一般的に債権はリスクが低くリターンが低い、株式はリスクが高くリターンが高いと言われていますよね。

では、株式100%のポートフォリオが最もリターンが高いと思いますよね?実はそうではないのです。この鍵は値動きがあることにあります。(もう一つは「リバランス」という作業をすることにあるのですが後述します)

最近は株式と債券の値動きが相関関係にありますが、歴史的には株式と債券の値動きは逆相関になります。

つまり、株式が上昇すれば債権が下落する、株式が下落すれば債権が上昇するなどです。異論はあると思います。でも、ここでは説明のために逆相関すると仮定します。

そうすると面白いことが起きます。わずかに債権を混ぜるとリスクが下がり、リターンは下がりません!場合によっては上がることすらあります!

何故なのでしょうか。

まずは定義を明確にすることが必要なので、リスクの定義を明確にします、

リスクとは振れ幅、つまり予測リターンから上ぶれても下ぶれてもリスクと呼びます。(標準偏差)これは最小化したいですよね!しかし、リターン(幾何平均)は最大化したいのです。

要は、逆の値動きをする資産クラスを組み合わせることで、株式が下落したときは債権が上昇します。また、債権が下落したときは株式が上昇して値動きをマイルドにする効果が期待できます。

株式が下落したときは債権を売って株式を買うことで、リターンの上昇が期待できます。これをリバランスといいます。

実例

銘柄Aは雨が降ったら儲かる会社、銘柄Bは晴れていると儲かる会社があったとします。このため、A社とB社の株価は逆相関していると考えます。

銘柄Aは雨が降ったら儲かる会社、銘柄Bは晴れていると儲かる会社のため、A社とB社の株価は逆相関していると考えます。

ある晴れた日銘柄Aは50%下落し株価は100円から50円に、銘柄Bは2倍になり株価は100円から200円になったので合計金額は250円になります。

ここでリバランスを行ったところ、A社125円、B社125円になりました。

今度は雨が降ってきたのでB社の株価は半値に、A社の株価は2倍になりました。このため、A社の株価は250円、B社の株価は62.5円になりました。

再度リバランスを行い、A社156.25円、B社156.25円になりました。

あら不思議、リターンが出ています。そして、1社だけの株式を持っているよりも値動きははるかにマイルドになっています。

このような考えから、わずかに債権を加えると株式100%よりもリターンが増加しリスクが減少すると思われここを効率的フロンティアといいます。

現実世界でのシミュレーション

現実世界でも同様の結果が得られるのでしょうか?今回はポートフォリオビジュアライザーというサイトでシュミュレーションを行ってみました。(2002年から2021年までのシュミュレーションです。)

・株式(VTI)80%、債権(TLT)20%のポートフォリオ

リターン:11.80% 最大下落:36.98% 最大リターン:33.45%

・株式(VTI)100%のポートフォリオ

リターン:11.31% 最大下落:22.80% 最大リターン:27.46%

どうでしょうか。リターンはほとんど変化がないにもかかわらず、リスクは著明に減少しているのがわかると思います。

これが分散の効果です。

債権を20%混ぜたポートフォリオは、株式100%のポートフォリオよりも明らかに優れていることがわかります。

つまり、ある程度までの債権(などの逆相関する資産クラス)を混ぜることでほとんどリターンを損なわずにリスクを下げることができるのです!

これは逆の事も言えます。債権100%よりも、少量の株式を混ぜたほうがリスクが下がり、リターンが上がります!

まとめ

分散投資を行うことでリターンを下げずにリターンを最大化できます。これは明らかに株式100%のポートフォリオより優れています。

分散投資の有効性について理解できたのではないでしょうか。

実際は、2022年の相場のように、株式と債券が同時に下落する相場は来ると思います。しかし、ある程度分散効果は今後も期待できると考えています。

今後はいろいろな相場に備えて金や現金などの分散効果なども検討していきたいと思いますので応援お願いします!

コメント

  1. 株勉強したい太郎 より:

    リバランスの説明、とてもわかりやすかったです!
    質問ですが、実際にリバランスをしようとすると、手数料と税金がかかりトータルのリターンが減ってしまうと思うので損すると思うのですが、実際どうなんでしょうか??

    • kutaniyaki より:

      ありがとうございます!
      私は基本的には追加投資でリバランスしています。
      売却すると税金がかかるのでおっしゃるとおり効率は落ちると思います。

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